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ハンドメイド副業の経費計上と節税テクニック【年間節税額シミュレーション付き】

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経費計上できる支出の全体像

ハンドメイド販売に関連する支出は「経費」として計上でき、所得を減らして節税につながります。しかし「経費になるもの」と「ならないもの」の境界線を正しく理解しておく必要があります。

経費として計上できる主な支出

経費の種類 具体例 備考
材料費 布・糸・金属パーツ・陶土・絵の具 販売目的のものに限る
仕入れ費 アクセサリーパーツ・ビーズ・素材 販売目的のものに限る
配送料 送料・梱包材(箱・緩衝材・テープ) 販売にかかる送料全額
販売手数料 minne 10.56%・Creema 11%の手数料 プラットフォームの明細で確認
道具・工具 ハサミ・ニッパー・カッターマット 10万円未満なら一括経費計上可
撮影費 カメラ・三脚・撮影用背景紙・照明 販売写真撮影に使うもの
広告費 minne・Creemaの有料広告・SNS広告 販売促進のための費用
書籍・教材費 手芸本・オンライン講座 販売スキル向上が目的のもの
イベント出展費 クラフトイベントの出展料 ハンドメイドイベント参加費
通信費 インターネット・スマホ代 事業利用分(家事按分)
水道光熱費 電気代・ガス代 作業時間に応じた按分
家賃 自宅作業スペースの家賃相当 専用スペースがある場合(家事按分)
会計ソフト freee・マネーフォワード等 事業管理のためのソフト

家事按分の計算例

自宅で作業している場合、光熱費・通信費・家賃の一部を「事業分」として経費計上できます。これを「家事按分」といいます。

自宅兼作業場の家賃按分

自宅の一部を専用作業スペースとして使っている場合、面積比で按分できます。

計算例

  • 自宅の総面積:50㎡
  • 作業スペースの面積:5㎡(専用の部屋がある場合)
  • 按分率:5 ÷ 50 = 10%
  • 月家賃:8万円 × 10% = 8,000円/月
  • 年間経費:8,000円 × 12ヶ月 = 96,000円

ただし、「専用スペース」が明確でない場合は按分が認められにくいため、作業部屋がある方が有利です。

スマホ代の按分

スマホで発送管理・SNS運用・メッセージ対応などの事業活動を行っている場合、使用時間の割合で按分します。

計算例

  • 月のスマホ代:10,000円
  • 事業での使用割合:30%(1日24時間のうち7〜8時間程度が事業利用)
  • 月間経費:10,000円 × 30% = 3,000円
  • 年間経費:3,000円 × 12ヶ月 = 36,000円

光熱費の按分

作業時間をもとに按分します。

計算例

  • 月の電気代:8,000円
  • 1日の作業時間:4時間
  • 按分率:4時間 ÷ 16時間(在宅時間) = 25%
  • 月間経費:8,000円 × 25% = 2,000円
  • 年間経費:2,000円 × 12ヶ月 = 24,000円

青色申告特別控除の節税効果シミュレーション

青色申告(65万円控除)を活用すると、所得税・住民税が大幅に下がります。白色申告との差を具体的な数字で確認しましょう。

前提条件

  • 所得税率:売上規模に応じて5〜20%
  • 住民税:10%(一律)
  • 経費率:売上の40%を経費として計上する想定

売上50万円の場合

項目 白色申告 青色申告(65万円控除)
売上 50万円 50万円
経費 20万円 20万円
差引所得 30万円 30万円
青色申告特別控除 なし 30万円(控除上限内なので全額)
課税所得(基礎控除48万円差引後) 0円(課税なし) 0円(課税なし)

売上50万円の場合、白色・青色ともに基礎控除内に収まるため、税額差はほぼありません。

売上100万円の場合

項目 白色申告 青色申告(65万円控除)
売上 100万円 100万円
経費 40万円 40万円
差引所得 60万円 60万円
青色申告特別控除 なし 60万円(控除上限内)
課税所得(基礎控除48万円差引後) 12万円 0円
所得税(5%) 6,000円 0円
住民税(10%) 12,000円 5,000円(均等割のみ)
節税効果 - 約13,000円

売上200万円の場合

項目 白色申告 青色申告(65万円控除)
売上 200万円 200万円
経費 80万円 80万円
差引所得 120万円 120万円
青色申告特別控除 なし 65万円
課税所得(基礎控除48万円差引後) 72万円 7万円
所得税(5%) 36,000円 3,500円
住民税(10%) 72,000円 7,000円
節税効果 - 約97,500円

売上200万円レベルになると、青色申告65万円控除による節税効果は年間約10万円近くになります。


小規模企業共済の節税メリット

小規模企業共済は個人事業主・フリーランス向けの退職金積立制度です。掛金が全額所得控除になるため、節税効果が非常に高いです。

  • 月1,000円〜70,000円の範囲で自由に設定
  • 掛金は全額「小規模企業共済等掛金控除」として所得から差し引ける
  • 最大で年間84万円(70,000円×12ヶ月)の控除が可能
  • 廃業・引退時に退職金として受け取れる

節税効果の例
月3万円(年36万円)を積み立てた場合、所得税率20%・住民税10%の人は年間108,000円の節税になります。


税理士への相談が必要なタイミング

以下のような状況になったら、税理士への相談を検討しましょう。

状況 相談すべき理由
年間所得が300万円を超えた 節税スキームが複雑になり判断が難しくなる
法人化を検討している 個人→法人の移行は専門家のアドバイスが必要
税務調査の通知が来た 税理士なしでの対応はリスクが高い
消費税の課税事業者になった 消費税の計算・申告は専門知識が必要
複数の事業を掛け持ちしている 事業区分・按分の判断が複雑になる

税理士費用は年間5〜30万円程度ですが、節税効果がそれを上回ることも多いです。費用対効果を確認してから依頼しましょう。