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収入・税金

ハンドメイド作家が法人化(会社設立)するべきタイミングと手順

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法人化が有利になる売上ライン

ハンドメイド作家が法人化を検討すべきタイミングは、一般的に年間所得(利益)が500〜600万円を超えるあたりが目安です。

なぜこの水準が目安になるかというと、個人事業主の所得税は所得が増えるほど税率が上がる「累進課税」であるのに対し、法人税率は中小企業の場合は23.2%(所得800万円以下は15%)で固定されているためです。

個人事業主vs法人の税負担比較

所得 個人(所得税+住民税+社会保険)の実効税率 法人(法人税+住民税等)の実効税率
200万円 約15〜20% 約20〜30%(コストが多い)
400万円 約25〜30% 約20〜25%
600万円 約30〜35% 約22〜27%
800万円 約35〜40% 約22〜27%
1,000万円 約40〜45% 約25〜30%

所得が500〜600万円を超えると法人の方が税負担が低くなるケースが出始め、800〜1,000万円以上になると差が明確になります。ただし、法人には固定コスト(後述)があるため、売上・利益規模によっては法人化が逆に不利になることもあります。


法人化のメリットとデメリット

メリット

節税効果

  • 自分への給与(役員報酬)を「給与所得控除」として控除できる
  • 家族への給与を経費化できる
  • 法人保険・退職金の活用で節税の選択肢が広がる
  • 社用車・福利厚生費など経費の幅が広がる

社会的信用の向上

  • 法人名義での契約・口座開設ができる
  • 卸売業者・百貨店との取引交渉が有利になる
  • イベント出展や審査のある販路で有利になるケースがある

融資・資金調達

  • 法人向けの銀行融資・補助金の申請が可能になる
  • 設備投資・在庫拡大のための資金調達がしやすくなる

デメリット

固定コストの増加

  • 法人住民税の均等割:最低でも年間約7万円
  • 社会保険料:代表者一人でも厚生年金・健康保険への強制加入
  • 税理士費用:個人より高い(年間15〜40万円程度)

手続き・管理の負担

  • 決算・申告が個人より複雑
  • 法人口座・法人カードの管理が必要
  • 株主総会・取締役会などの書類管理が必要(株式会社の場合)

株式会社vs合同会社の比較

法人化する場合、最も選択されるのは「株式会社」と「合同会社」の2種類です。

比較項目 株式会社 合同会社
設立費用 約25万円〜 約10万円〜
社会的知名度 高い やや低い
意思決定 株主総会が必要 柔軟(定款で決定)
登記費用 約15万円 約6万円
定款認証費用 約5万円 不要
配当 出資比率に応じる 自由に設定可
決算公告 義務(コストあり) 不要

ハンドメイド作家が一人または少人数で始める場合、合同会社の方が設立コストが安く手続きも簡単なためおすすめです。ただし、百貨店・大企業との取引で「株式会社でないと取引できない」ケースもあるため、将来の販路によって判断しましょう。


法人化の手順と費用

株式会社設立の流れ

  1. 商号(会社名)の決定:同じ所在地に同じ商号の会社は登記できない
  2. 定款の作成と認証:公証役場での認証が必要(費用:約5万円)
  3. 資本金の払い込み:1円から可能だが、信頼性を考えると最低30〜100万円が一般的
  4. 設立登記申請:法務局に登記申請(登録免許税:最低15万円)
  5. 各種届出:税務署・都道府県・市区町村・年金事務所への届出
  6. 法人口座の開設:銀行で法人名義の口座を開設

合同会社設立の流れ

  1. 商号・所在地・出資者の決定
  2. 定款の作成:公証役場での認証不要
  3. 出資金の払い込み
  4. 設立登記申請(登録免許税:最低6万円)
  5. 各種届出:税務署・都道府県・市区町村・年金事務所への届出

設立費用の目安

費用項目 株式会社 合同会社
定款認証費用 約50,000円 0円
登録免許税 最低150,000円 最低60,000円
定款の謄本・印鑑証明 約2,000〜5,000円 約2,000〜5,000円
会社印鑑(実印) 約5,000〜30,000円 約5,000〜30,000円
合計(最低ライン) 約25万円〜 約10万円〜

法人後の経費拡大策

法人化後は個人事業主よりも幅広い経費計上が可能になります。

法人化で新たに活用できる主な経費

役員報酬
自分への給与を役員報酬として経費化できます。給与所得控除(55〜195万円)が適用されるため、大きな節税効果があります。

退職金の積立
法人として退職金積立(小規模企業共済・法人保険)を経費化できます。個人よりも大きな金額を積立・控除できます。

社会保険
法人は社会保険(厚生年金・健康保険)に強制加入となりますが、保険料の半分を法人が負担するため、その分を経費にできます。

家族への給与
家族(配偶者・子など)を従業員として雇用し、給与を経費化できます(実際に業務を行っている場合に限る)。


まとめ:法人化の判断基準

状況 判断
年間所得が400万円未満 個人事業主のままで十分
年間所得が500〜600万円 法人化を税理士に相談するタイミング
年間所得が800万円以上 法人化による節税メリットが明確
百貨店・大企業との取引を目指している 法人化(株式会社)を検討
一人で始めるコストを抑えたい 合同会社から始める

法人化は節税だけでなく、事業の信頼性・資金調達力にも影響します。売上が安定してきたら、税理士に相談しながら最適なタイミングを見極めましょう。