市販の生地・パターンを使ったハンドメイド商品の販売可否と注意点
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市販の生地には「ライセンス」が存在する
市販の生地を購入してハンドメイド作品を作り、それを販売することは、一見すると何も問題ないように思えます。しかし、多くの生地にはデザイナーやメーカーが定めたライセンス(使用許諾条件)が存在しており、このライセンスに従わない販売は著作権侵害になる可能性があります。
生地のライセンスは大きく3種類に分類できます。
生地ライセンスの種類
| ライセンスの種類 | 内容 | 販売の可否 |
|---|---|---|
| 個人使用のみ可 | 家庭内での使用に限定され、販売・配布は不可 | 不可 |
| ハンドメイド販売可 | 1点ものの手作り作品として販売可(量産・転売は不可) | 条件付きで可 |
| 商用利用可 | 販売・量産・転売など商業的利用が許可されている | 可 |
有名ブランド生地の商用販売ルール
リバティ(Liberty Fabrics)
英国の老舗ブランド「リバティ」の生地は日本国内でも人気ですが、販売ルールは複雑です。一般的には「個人のハンドメイド販売は黙認」とされているケースが多いですが、量産・大量販売は認められていません。
正確には公式ライセンシーのみが商業的な使用を許可されており、国内の生地販売業者が「ハンドメイド販売可」と記載している場合も、その業者の独自解釈に基づくことがあります。リバティブランドを大きく前面に出した販売や、「リバティ生地使用」という言葉を商品タイトルに使うことはブランド毀損につながるリスクがあります。
北欧ブランド生地(マリメッコ等)
マリメッコをはじめとする北欧ブランドの生地は、正規のライセンスを持たない販売者が商業利用することを禁止しています。日本国内で販売されているマリメッコ生地の多くは「個人使用のみ」のライセンスであり、これを使ったハンドメイド品の販売は権利侵害になります。
キャラクタープリント生地
ディズニー・サンリオ・アニメなどのキャラクターがプリントされた生地は、原則として販売目的での使用が禁止されています。「生地として購入したから使っていい」という考え方は誤りで、著作権・商標権の侵害になります。
「ハンドメイド販売可」の確認方法
生地のセルビッジ(耳)を確認する
生地の端部(セルビッジ)には、ブランド名・デザイナー名・著作権表示・商用利用の可否が記載されていることがあります。英語表記の場合は以下の表現に注意してください。
| 英語表記 | 意味 |
|---|---|
| For personal use only | 個人使用のみ可(販売不可) |
| Not for commercial use | 商用利用不可 |
| Suitable for small craft projects | 小規模なクラフト販売は可の場合あり |
| Licensed for one-of-a-kind handmade items | 1点もののハンドメイド販売可 |
購入先の販売ページを確認する
生地を購入した店舗・ECサイトの商品ページに「商用利用可」「ハンドメイド販売可」の記載があるか確認しましょう。ただし、販売店の記載が必ずしも正確とは限らないため、重要な場合はメーカーへの問い合わせが確実です。
不明な場合はメーカーに問い合わせる
商用利用のライセンスが不明な場合は、生地メーカーや輸入代理店に直接確認することが最も確実です。問い合わせ内容・回答日時・担当者名を記録しておくと、後のトラブル対応に役立ちます。
違反した場合のリスク
プラットフォームからの削除・アカウント停止
minne・Creema・BASEなどのプラットフォームは、著作権侵害の申告を受けた場合、商品の非公開化・削除・アカウント停止などの措置をとります。権利者からのDMCA申請(著作権侵害の申告)が受理されると、販売実績や評価が蓄積されたアカウントを失うリスクがあります。
著作権侵害による損害賠償
著作権者から損害賠償を請求される可能性があります。販売による利益相当額の損害賠償に加え、弁護士費用・慰謝料が請求されるケースもあります。
刑事罰
悪質な場合は著作権法違反として刑事責任を問われることもあります。著作権法上の侵害は10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(または両方)が定められています。
安全に販売するための実践ルール
- 生地を購入する前にライセンスを確認する(後から確認では手遅れになることがある)
- キャラクタープリント生地は販売目的では使用しない
- 「ハンドメイド販売可」の生地でも量産・転売・海外販売は別途確認が必要
- ライセンス確認の記録を保存しておく(スクリーンショット・メールの返信等)
- 不明な場合はオリジナル素無地や確実に商用利用可の生地を使う
まとめ
市販の生地を使ったハンドメイド販売は、ライセンスの確認が欠かせません。特に人気ブランドや海外生地、キャラクタープリントには注意が必要です。「購入したから使っていい」という認識は誤りで、ライセンス違反は著作権侵害になります。安全に販売を続けるために、生地購入前のライセンス確認を習慣にしましょう。