ハンドメイド事業で家族に給与を払う方法【青色専従者給与】
この記事の目次
- 1. 家族に手伝ってもらっているなら給与を経費にできる
- 2. 青色専��者給与とは
- └ 条件
- └ 届出の手続き
- 5. 給与の金額はいくらが適正?
- └ 金額の目安
- 7. 節税効果のシミュ��ーション
- └ 専従者給与なしの場合
- └ 専従者給与ありの場合(月8万円×12ヶ月=96万円)
- 10. 注意点
- 11. まと��
- 12. 青色専従者給与の条件を詳しく確認する
- └ 条件1:青色申告をしていること
- └ 条件2:届出書を事前に提出していること
- └ 条件3:専従者が要件を満たすこと
- 16. 節税効果のシミュレーション
- └ 専従者給与なしの場合(売上400万円・経費150万円)
- └ 専従者給与あり(月8万円 × 12ヶ月 = 96万円)の場合
- 19. 給与額の設定と配偶者控除との比較
- └ 比較表(夫の所得900万円以下の場合)
- 21. 実務上の手続き・注意事項
- └ 給与を実際に支払う
- └ 給与台帳・給与明細を作成する
- └ 源泉徴収の有無を確認する
- └ 変更・廃止の届出
- 26. 白色申告の事業専従者控除との比較
- 27. まとめ:青色専従者給与の活用ポイント
家族に手伝ってもらっているなら給与を経費にできる
ハンドメイド販売で家族(配偶者や親)に梱包や発送を手伝ってもらっている方は多いでしょう。青色申告をしていれば、その家族への給与を全額経費として計上できます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断は税理士にご相談ください。
青色専��者給与とは
青色申告をしている個人事業主が、生計を一にする親族に支払う給与を経費にできる制度です。
条件
- 青色申告をしていること
- 家族が15歳以上であること
- 年間6ヶ月超または事業期間の半分超、事業に従事していること
- 他に職業がないこと(パートとの兼業は要注意)
- 事前に届出を提出していること
届出の手続き
「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出します。
- 提出期限: 適用を受けたい年の3月15日まで(新規開業の場合は開業後2ヶ月以内)
- 届出内容: 専従者の氏名、仕事内容、給与額
給与の金額はいくらが適正?
金額の目安
| 業務内容 | 月額の目安 |
|---|---|
| 梱包・発送作業(週3〜4時間) | 3〜5万円 |
| ��理・帳簿管理(週2〜3時間) | 3〜5���円 |
| 制作補助(週10時間以上) | 8〜15万円 |
| 総合的な業務(フルタイム相当) | 15〜25万円 |
注意: 不相当に高額な給与は税務署に否認されるリスクがあります。世間相場と業務量に見合った金額にし��しょう。
節税効果のシミュ��ーション
専従者給与なしの場合
売上:400万円
経費:150万円
所得:250万円
所得税(概算):約15万円
専従者給与ありの場合(月8万円×12ヶ月=96万円)
売上:400��円
経費:150万円 + 専従者給与96万円 = 246万円
所得:154万円
所得税(概算):約8万円
節税効果:約7万円
注意点
- 専従者給与を払うと、その家族は配偶者控除の対象外になります
- 給与を支払うなら源泉徴収の手続きが必要です
- 実際に業務に従事していない場合は認められません
- 白色申告の場合は「専従者控除」(配偶者86万円、その他50万円)のみ
まと��
- 青色申告+届出で家族への給与が経費に
- 業務量と世間相場に見合った金額にする
- 配偶者控除との比較で有利な方を選ぶ
- 源泉徴収の手続きも忘れずに
青色専従者給与の条件を詳しく確認する
青色専従者給与を活用するには、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。
条件1:青色申告をしていること
事業者本人が青色申告の承認を受けていることが前提です。まだ青色申告をしていない場合は、「青色申告承認申請書」を税務署に提出しましょう。
条件2:届出書を事前に提出していること
「青色事業専従者給与に関する届出書」を、その年の3月15日まで(または開業後2ヶ月以内)に税務署へ提出する必要があります。
届出書に記入する主な内容:
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 専従者の氏名・続柄 | 山田花子(配偶者) |
| 専従者の仕事内容 | 梱包・発送業務、写真撮影、顧客対応 |
| 給与の種類・支給額 | 月給 80,000円 |
| 支給日 | 毎月末日 |
条件3:専従者が要件を満たすこと
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 生計を一にする配偶者または親族 | 同居していなくても生活費を共にしていればOK |
| 年齢 | 12月31日時点で15歳以上 |
| 従事期間 | 年間を通じて6ヶ月超、専ら事業に従事 |
| 他の業務 | 他にフルタイムの仕事がないこと |
節税効果のシミュレーション
専従者給与なしの場合(売上400万円・経費150万円)
所得 = 400万円 − 150万円 − 65万円(青色申告特別控除)= 185万円
所得税(概算)≒ 約10万円
住民税(概算)≒ 約18万円
合計負担 ≒ 約28万円
専従者給与あり(月8万円 × 12ヶ月 = 96万円)の場合
所得 = 400万円 − 150万円 − 96万円 − 65万円 = 89万円
所得税(概算)≒ 約0万円(基礎控除48万円で大幅圧縮)
住民税(概算)≒ 約8万円
合計負担 ≒ 約8万円
節税効果 ≒ 約20万円
さらに、専従者(配偶者)の給与96万円に対して、給与所得控除55万円と基礎控除48万円が適用されるため、専従者自身の所得税もゼロになります。
給与額の設定と配偶者控除との比較
専従者給与を設定すると、その家族は配偶者控除・扶養控除の対象から外れます。
比較表(夫の所得900万円以下の場合)
| 状況 | 夫の控除額 | 妻への経費額 | 実質的な節税効果 |
|---|---|---|---|
| 配偶者控除のみ | 38万円 | なし | 比較的少ない |
| 専従者給与(月5万円) | 0円 | 60万円/年 | 多い |
| 専従者給与(月8万円) | 0円 | 96万円/年 | さらに多い |
一般的に専従者給与の方が有利ですが、所得や家族構成によって異なります。税理士にシミュレーションを依頼することをおすすめします。
実務上の手続き・注意事項
給与を実際に支払う
専従者給与は名目上のものではなく、毎月実際に振り込む必要があります。通帳の記録が証拠になります。
給与台帳・給与明細を作成する
| 書類 | 作成目的 |
|---|---|
| 給与台帳 | 年間の給与支払い記録 |
| 給与明細 | 毎月の支給内容の記録 |
| 源泉徴収簿 | 源泉徴収が必要な場合の記録 |
源泉徴収の有無を確認する
月額88,000円以上の給与を支払う場合、原則として源泉徴収(所得税の天引き)が必要です。
「源泉所得税の納期の特例」を申請すれば、年2回(7月と翌年1月)にまとめて納付できます。
変更・廃止の届出
給与額を変更する場合も、届出書の提出が必要です。「変更届」を税務署に提出してください。
白色申告の事業専従者控除との比較
青色申告に切り替えていない方向けに、白色申告の事業専従者控除も確認しておきましょう。
| 項目 | 白色・専従者控除 | 青色専従者給与 |
|---|---|---|
| 控除額 | 配偶者86万円(上限) | 届出額全額(上限なし) |
| 届出 | 不要 | 必要 |
| 実際の振込 | 不要 | 必要 |
| 節税効果 | 限定的 | より大きい |
青色申告の専従者給与の方が圧倒的に有利です。まだ白色申告の方は、青色申告への切り替えを検討しましょう。
まとめ:青色専従者給与の活用ポイント
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 前提条件 | 青色申告者であること |
| 届出書の提出 | 3月15日まで(または開業後2ヶ月以内) |
| 給与額 | 業務量と相場に見合った金額 |
| 実際の支払い | 毎月必ず銀行振込で実施 |
| 配偶者控除との関係 | 専従者になると配偶者控除は受けられない |
| 節税効果 | 年間数十万円の節税が可能 |
家族に手伝ってもらっているハンドメイド事業は多いはずです。青色専従者給与を活用することで、家族の貢献を正式に給与として認め、大きな節税効果を実現できます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断は税理士にご相談ください。情報は2026年4月時点のものです。