ハンドメイドショップ名・ブランド名の商標登録ガイド【費用・手順・注意点】
この記事の目次
なぜブランド名を商標登録すべきか
ハンドメイド販売で人気が出てくると、同じような名前のショップが増えてきたり、最悪の場合は第三者に自分のブランド名を先に商標登録されてしまうリスクがあります。商標登録をしていなければ、長年育てたブランド名を使い続けることができなくなる場合もあります。
商標権を取得することで、登録した商標を業として独占的に使用する権利が得られます。類似した商標を使う第三者に対して使用停止や損害賠償を請求できるようになります。
商標登録のメリット
| メリット | 内容 |
|---|---|
| ブランドの独占的使用権 | 全国で商標を独占的に使用できる |
| 模倣品への対抗手段 | 似たブランド名の使用者に警告・差止め請求が可能 |
| ブランド資産化 | 商標権は売買・ライセンスが可能な財産になる |
| 信頼性の向上 | 「®」マークの表示でブランドの信頼感アップ |
| 先取り保護 | 他者に先に登録されるリスクを防げる |
商標登録の費用
商標登録には特許庁への出願費用がかかります。2026年時点の目安は以下の通りです。
| 費用の種類 | 金額目安 |
|---|---|
| 出願料(1区分) | 約3,400円(電子出願) |
| 登録料(1区分・10年分) | 約28,200円 |
| 弁理士費用(依頼する場合) | 5万〜15万円程度 |
| 合計(自分で1区分) | 約32,000円 |
「区分」とはビジネスの種類を分類したもので、ハンドメイド雑貨の場合は主に第14類(貴金属・宝飾品)、第24類(布・布製品)、第25類(衣類・履物)、第26類(ボタン・ブレード等)、第35類(販売・小売業)などが関連します。複数の区分に出願するとその分費用が増えます。
商標登録の手順
ステップ1:類似商標の調査
まず特許庁の「J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)」で類似する商標がすでに登録されていないか確認します。同一または類似の商標が同一・類似の商品・役務に登録済みの場合、出願しても拒絶される可能性が高いです。
J-PlatPatでの調査方法
- J-PlatPat(https://j-platpat.inpit.go.jp)にアクセス
- 「商標」→「商標検索」を選択
- ブランド名や類似する文字列で検索
- 同一・類似の商標がないか確認
ステップ2:出願書類の作成
特許庁への出願書類を作成します。主な記載事項は以下の通りです。
- 商標の表示(文字・ロゴ・図形など)
- 指定商品または役務(どの区分に登録するか)
- 出願人の氏名・住所
電子出願の場合は特許庁の「インターネット出願ソフト」を使います。書面出願も可能ですが、電子出願の方が審査が早く手数料も安くなります。
ステップ3:出願料の納付と提出
出願書類を作成し、出願料を納付して特許庁に提出します。
ステップ4:審査
出願後、特許庁による審査が行われます。標準的な審査期間は約6〜12ヶ月です。審査を通過すると「登録査定」が届きます。
ステップ5:登録料の納付と権利取得
登録査定を受けたら、登録料を納付することで商標権が発生します。登録期間は10年で、更新することで半永久的に維持できます。
自分で出願するか弁理士に依頼するか
| 項目 | 自分で出願 | 弁理士に依頼 |
|---|---|---|
| 費用 | 安い(3〜4万円程度) | 高い(8〜20万円程度) |
| 手間 | 多い | 少ない |
| 成功率 | やや低い | 高い |
| 類似調査の精度 | 限定的 | 詳細 |
| 拒絶対応 | 難しい | 対応してもらえる |
シンプルな文字商標で1区分のみの場合は自分で出願することも可能です。ロゴを含む商標や複数区分への出願、類似商標が多い分野では弁理士への依頼を検討しましょう。
注意点
- 先使用権について:商標登録していなくても、以前から使用していた商標については「先使用権」が認められる場合がありますが、証明が非常に難しいため、登録が最善策です。
- ショップ名とブランド名は別:minneやCreemaでのショップ名はプラットフォーム上の表示に過ぎず、商標権とは別です。ブランド名として独自に使うのであれば、登録を検討する価値があります。
- 登録したら使い続ける:商標権は継続的に使用していないと取消審判により取り消される場合があります。
ハンドメイドビジネスが軌道に乗り、ブランドとして認知されてきたと感じたタイミングで、商標登録を検討することをおすすめします。