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収入・税金

ハンドメイド作業を手伝う家族に給与を払って節税する方法【青色事業専従者控除】

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家族への給与を経費にできる制度

ハンドメイド事業で配偶者や家族が梱包・発送・SNS管理・在庫管理などの作業を手伝ってくれている場合、その家族に支払う給与を事業の経費として計上できる制度が「青色事業専従者給与」です。

通常、家族に支払った給与は経費として認められませんが、青色申告者がこの届出を行った場合に限り、適切な金額であれば全額経費計上できます。

青色事業専従者給与の適用条件

以下の条件をすべて満たす必要があります。

条件 内容
青色申告者であること 青色申告承認申請書を提出済みであること
生計を一にする家族であること 同一世帯または仕送りをしている家族
15歳以上であること 高校生以上が対象(義務教育修了後)
専ら業務に従事していること 原則として年間6ヶ月超、専従していること
届出書を提出していること 税務署に「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出
給与額が労務の対価として相当であること 仕事の内容・量に見合った金額であること

「専従」とは

専従とは、その事業に専ら(もっぱら)従事していることを意味します。具体的には次のような状況が原則として認められません。

  • 配偶者が別の会社でパートやアルバイトをしている
  • 学生で授業がある(学業が主の場合)
  • 他の事業もしている

ただし、副業的な軽微な仕事(月数時間程度のパート)は状況によって認められるケースもあります。税務署への相談をお勧めします。

給与額の設定基準

給与額は「その仕事内容に見合った、他人を雇った場合に払うであろう金額」が基準です。過度に高い給与は税務調査で否認されることがあります。

業務内容別の給与設定目安

業務内容 給与の目安(月額)
梱包・発送作業(週15〜20時間) 5〜10万円
SNS管理・写真撮影 3〜8万円
受注管理・顧客対応 3〜6万円
材料仕入れ・在庫管理 3〜5万円
複数業務を担当する場合 8〜15万円

給与額を決めるにあたっては、作業時間の記録(業務日誌)を残しておくことで、給与の妥当性を説明できます。

節税効果のシミュレーション

事業主(青色申告)の所得税率が20%の場合

配偶者に月10万円(年間120万円)の給与を支払う場合の節税効果:

項目 金額
配偶者への給与(年間) 120万円
事業主の節税額(所得税20%) 24万円
事業主の節税額(住民税10%) 12万円
合計節税額 36万円

配偶者の給与収入が年間103万円以下であれば、配偶者に所得税はかかりません。103万円を超えても、給与所得控除(55万円)により課税所得は低く抑えられます。

配偶者控除との選択比較

青色事業専従者として届け出た配偶者は、配偶者控除(最大38万円)または配偶者特別控除の対象外になります。つまり「給与の経費計上」と「配偶者控除」は同時に使えません。

どちらが有利かは、給与額と事業主の所得税率によって異なります。

配偶者の状況 有利な選択
実際の作業量が多く、月8万円以上の給与が適当 青色事業専従者給与
軽微な手伝い程度で、月3万円以下の給与 配偶者控除(最大38万円)
事業主の所得税率が低い(5〜10%) 配偶者控除の方が有利になることも
事業主の所得税率が高い(20〜33%) 青色事業専従者給与の節税効果が大きい

配偶者控除は最大38万円(所得税)の控除ですが、青色事業専従者給与は経費として計上した全額が所得から差し引かれるため、給与額が多いほど節税効果が大きくなります。

届出書の提出方法と期限

提出する書類

「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出します。国税庁のWebサイトからダウンロードできます。

記入する主な内容

  • 事業主の氏名・住所・屋号
  • 専従者の氏名・続柄・生年月日
  • 専従する業務の内容(具体的に記載)
  • 給与の種類(月給・日給・時給)
  • 給与の金額
  • 昇給の条件(ある場合)

提出期限

タイミング 提出期限
開業時(青色申告初年度) 青色申告承認申請書の提出期限と同じ
既存の青色申告者が新たに専従者を追加 専従者が仕事を始めた年の3月15日まで(その年に間に合わない場合は翌年分から)

期限を過ぎた場合は、その年については専従者給与を経費計上できません。早めに届け出ることが重要です。

給与支払いの実務

源泉徴収の義務

専従者への給与が月88,000円以上の場合、源泉徴収(所得税の天引き)が必要です。毎月の給与から国税庁の「給与所得の源泉徴収税額表」に基づいて所得税を差し引き、翌月10日までに税務署に納付します。

給与が少額の場合(月88,000円未満)は源泉徴収不要です。

給与の実際の支払い

銀行振込が証拠として明確で推奨されます。現金払いの場合は給与明細と受領書(サイン・押印)を保管してください。「実際に支払っていない給与」を経費計上することはできません。

まとめ

青色事業専従者給与制度を活用することで、ハンドメイド事業を手伝う配偶者・家族への給与を正当な経費として計上でき、大きな節税効果が得られます。配偶者控除との比較を行い、どちらが有利かを検討した上で届出書を提出しましょう。給与額は業務内容に見合った金額とし、作業記録を残しておくことが税務調査への備えになります。